企業の取組事例
(育児休業取組状況等の公表)

美辺株式会社

  • 業種
    業種
    医療、福祉
  • 所在地
    所在地
    名古屋市中村区名駅2-41-3
  • 従業員数
    従業員数
    51名

〈企業担当者〉

男性の育児休業取得促進に取り組むきっかけ・背景
弊社はそのほとんどが子育て中の女性従業員で構成されており、頻繁に出産に伴う産休・育休が発生しています。その取得率および復帰率は創業以来100%です。
従業員は「子育ての苦労を知り、分かち合おうとする」方が大半であるため、会社全体に出産を喜び、産休育休を受け入れる風土があります。そのため男性従業員の育休取得に対しても同様に祝福こそあれ抵抗はありませんでした。
男性の育児休業取得促進にかかるこれまでの取組
創業以来該当者がおりませんでしたので取得実績はありませんが、取得依頼があれば女性同様に受け入れる体制としておりました。前述のとおり組織風土として祝福して受け入れる体制を構築できております。
取得促進にあたっての課題とその解決策、工夫した点
業務引継対象者がいなかったこと、特に今回は人事業務というセンシティブな業務領域が対象であったこともあり、対象者の選定と引継ぎ資料作成にまず課題がありました。
最終的には信頼できるメンバーを1名選定し、ある程度「見たらできる」程度にまとめたマニュアルを提供することで業務を引き継ぎました。マニュアル作成の際にはエクセル関数の組み方を改善して簡便化するなど、業務改善も同時に行うよう心がけました。
取得者がいる職場の業務継続のために取り組んだこと
前述の通り、業務をマニュアル化・簡便化することで不在中の業務が滞りなく実施できるよう取り組みました。時間が取れないからと滞っていた業務改善を進めることができる良い機会ともなりました。
定着に向けて、更に取り組んでいることがあれば教えてください
今回の育休取得者の業務領域に関わらず、各業務領域において業務の標準化・見える化を進めています。たとえばフロント業務を利用システム内に洗い出したり、バックオフィス業務はエクセル関数を組みなおしたりするなどして、誰がやってもある程度業務の質を保つことができるよう対策しています。
作成した資料は、今後新しく入社する方が業務を覚えるためにも活用できると期待しています。

〈男性従業員〉

育児休業を取得したきっかけ
第三子であることもあり、産まれた子と上の子の面倒を同時に見ることが非常に大きな負担になることは理解しておりました。まして共働きであることもあり、妻ばかりに育児負担を強いることが適切ではないという思いから、育休を取得しました。
育児休業を取得して良かったこと
出生後の子どもの成長は非常に速いです。その成長に伴う変化を夫婦で共有しながらじっくりと見ることができたことに喜びと育休を取得したメリットを感じています。
また、上の子にとって下の子が産まれるということは、喜ばしいことである一方で親の目線が他に向かうため精神面に不安定を生じさせかねないと思っていますが、親が二人そろって子ども全体を見る環境を作れたため、特に混乱を生むこともなく円満に新生児を家族に迎え入れることができたと思います。
育児休業の取得にあたり、円滑に業務を引き継ぐ上で工夫した点
エクセルの入力方法などの引継ぎの説明をする前に、まず一度引継ぎをするつもりで一通りの業務をやってみましたが、他の人に同様にやってもらう前提で考えると「非効率でこのままでは引き継げない」と気付く点が多くありました(例えばエクセルの関数をうまく組めば自動で完了するのに手入力していた作業など)。
引き継ぐ前に業務手順を1点1点再考し、業務を単純化し「簡単で間違いの起こらない」業務にすることを心掛けました。
育児休業の取得経験を通して業務に生かせていること
これまで以上に、誰かに業務を引き渡すことを念頭に置いて仕事に対応するようになりました。知識やコツが必要な業務は極力マニュアル化したり、現在のやり方が非効率で他人に説明できないやり方になっていないかを常に考えたりするよう心がけるようになりました。
これから育児休業の取得を検討している方へのアドバイス
育休を取得し担当業務から手を放す際には、必要な業務である限りはどなたかへの引継ぎが必要となります。引継ぎを行うために自身の業務を明文化したり代替者に説明したりする過程で、少なからず、自分がやればいいから目をつぶっていた「非効率」や「不必要」が見つかるはずです。育休をとることで、自分自身の業務を改善するきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

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