株式会社トヨタコミュニケーションシステム
- 数多くの法を上回る制度が
従業員の満足度につながる -
株式会社トヨタコミュニケーションシステムは、平成13年に3つの会社が合併して設立されました。その際、育児・介護等に関する制度については、将来のニーズの高まりを考慮し、3社の中で最も有利な基準を新会社の制度として採用したため、会社設立当初より法定基準を上回る制度が数多く導入されています。例えば、子が小学校3年生まで利用できる「育児短時間勤務制度」や、子の人数に関係なく年12日まで取得できる有給の「看護休暇」など、従業員のニーズが高い制度を手厚くしており、育児と仕事の両立を希望している従業員に対する高い満足感につながっています。
育児・介護に関する先進的な取組
- ●子が2歳まで取得可能な育児休業
- ●子が小学校3年生まで利用可能な育児短時間勤務
- ●子が小学校就学前まで利用可能な所定外労働の免除
- ●子の人数に関係なく年12日取得可能な子の看護休暇(有給)
- ●配偶者出産時3日の特別休暇(有給)
- ●妊婦に対する休業、短時間勤務制度(医師・助産師の指示による)
- ●産前・産後休暇の取得期間も、賞与の算定期間に算入
- ●育児在宅勤務制度
- 担当業務により、小学校就学前まで利用可能。
- ●育児の日
- 平成19年より毎月19日を「育児の日」とし、全従業員に定時退社を促している。
- ●介護制度の充実
- 介護休業は、介護が必要な家族1人につき、介護短時間勤務と合わせて1年間利用可能。
介護休暇は、対象家族の人数に制限なく、1人につき5日取得可能。(無給) - ●全部署に適用可能なフレックスタイム制度(一部業務を除き、99%の従業員に適用)
- ●取得日数に上限のない生理休暇(有給)
離職率の低さが実証する
充実した制度と快適な職場環境IT業界は、もともとフレックスタイムや在宅勤務など自由なワークスタイルが選択可能な職種です。さらに、男女の差が出にくい能力重視の業界ということもあり、能力ある女性が結婚や出産を経ても退職することなく活躍できるよう、従業員のニーズに応えながら、充実した制度が作られました。フレックスタイム勤務制度や有給休暇の取得促進により、働く時は集中して働き、休む時はしっかり休むといったメリハリのある働き方が実現できるよう、効率的な業務の推進に努めています。
業界的に発症率が高くなりがちな、メンタルヘルスケアにも力を入れており、予防、早期発見のための従業員教育や各種相談窓口の設置、また発症者に対する復職支援制度も充実しています。
会社設立から12年、従業員が1,000人を超えても離職率は1.2%(平成23年度実績)という数字からも、従業員にとって快適な職場環境であることがわかります。
WLBにつながる様々な取組
- ●就業規則等の各種規程や、出産・育児に関する制度利用マニュアルを作成し、イントラネットに掲載。該当者へは個別に送付。
- ●3DV(3-day-vacation)休暇制度年に1回は、3日以上連続の年次有給休暇取得を奨励。
- ●年次有給休暇は半日単位の取得も可。
- ●平成22年に女性従業員とその上司に対するアンケートを実施。その結果を基に、平成23年1月「女性活躍推進活動の実施」を経営にて決定。
- ●女性活躍推進ミニフォーラム
- 平成24年1月に開催。仕事と育児を両立し、活躍している従業員を講師として、「短時間勤務の中、いかに効率よく業務を進めるか」等成功体験を披露。またグループディスカッションを行うことで、女性従業員同士の理解と交流を促し、従業員一人ひとりが「自分が活躍するイメージ」を描くきっかけを提供。
これからWLBに取り組む企業様へのアドバイス
ニーズに応じた制度変更と、
「制度を利用しやすい職場づくり」への働きかけを弊社の制度は、設立当初から法定を上回り、多様な働き方に対応できるものとなっていました。さらに、従業員のニーズや法改正に応じて随時見直しを進めてきた結果、現在の内容となるに至っています。制度の利用マニュアルを作成して従業員に展開したり、上司に対する理解活動を行うなど、ちょっとした工夫で徐々に制度利用者が増え、最近では男性従業員の看護休暇、育児休業取得者も珍しくなくなりました。平成25年2月末時点で、育児休業取得者延べ90名中、延べ11名が男性従業員です。
上司や同僚の理解がなければ、制度は有効に機能しません。
会社として、制度の整備だけでなく、それを利用できる職場環境、職場の雰囲気を整えることが大事と考えます。
従業員の声
利用制度:育児休業(子ども2人で計4か月半)
上司や同僚の理解もあり、仕事を気にすることなく、家事・育児に専念できました。
育児休業中に家事・育児の大変さを改めて体験できたことで、その後も家事・育児への積極的な参加をしており、家族で仲良く過ごせる今につながっていると思います。
今では、同僚も育児休業取得を検討したり、実際に取得したりと、男性の育児休業取得は特別なことではなくなりつつあると思っています。
何より、子どもと一緒に過ごせるこの限られた貴重な時間を、より多くの方に体験してもらいたいと思います。
【ES本部 Y(男性)】利用制度:育児休業(子ども2人で計3年半)、育児短時間勤務
時短勤務制度のおかげで育児休業から復帰することができました。
時短勤務を始めて、限られた時間の中で計画的に効率よく働く意識が高まり、出勤前にその日の段取りを考えるようになりました。
また、復帰前に子どもが受けられる予防接種は全て受け、毎日子どもの様子を注意深く観察して、変化があれば早期に小児科で診察を受けて病状の悪化を防いでいます。
にもかかわらず、子どもの病気で繁忙期に数日休んでしまい、職場の方々に迷惑をかけてしまうこともありました。
その反省を踏まえ、子どもの病気で急に休む場合を想定し、向こう1か月のスケジュールを立て、いつでも上司に相談できるようにしました。
このように、仕事と家庭の両立ができるまで半年~1年ほど必要としましたが、今はメリハリのある生活を送ることができ、周囲の皆さんの協力と理解に大変感謝しています。
【管理本部 K(女性)】
イクメン育成に関する先進的な取組
- ●男女別に育児支援制度の一覧表を作成
- ●育児の日と定めた毎月19日に定時退社を呼びかけるとともに、育児支援制度一覧表をメール送信するなど継続的な周知を実施
- ●育児短時間勤務者にも責任ある仕事を任せており、人事部門では、通常勤務者とペアで業務を担当することで、急な休みや繁忙期に対応できる体制や、通常勤務者の個人目標に、育児短時間勤務者とペアで行う業務についての目標を設定し、達成した場合にプラス評価する仕組みを試行中
男性の育児支援制度利用実績
- ●育児休業
- 平成23年 2名
平成24年 5名
平成25年 2名
平成26年 1名 - ●育児短時間勤務
- 平成25年 1名
平成26年 1名 - ●子の看護休暇
- 平成23年 34名
平成24年 41名
平成25年 37名
平成26年 25名
人事担当者さん、教えて!
- 育児休業の平均期間はどれくらいですか?
- 取得期間は1~2か月がほとんどです。取得回数では3回取得している猛者もいますよ。取得した人のいる部署は、それに続くように取得していく傾向にありますね。
- 育児短時間勤務や看護休暇を利用する人も多いですね。
- 育児短時間勤務者であっても、責任ある仕事を任されることが大きいかもしれません。また、通常勤務者とペアを組んでひとつの業務を担当するのもポイントです。急な休みになる時には、たいてい通常勤務者に負担がかかり、制度利用者はそれを苦にしてしまうこともあるかと思いますが、弊社の場合、ペア業務を達成できるとプラス評価となるため、そういったストレスが少ないのです。このような体制整備や支える側を評価する仕組みを設けることで、安心して制度を利用できるようにしています。
- 実績を作るコツはありますか?
- 実績のために「取りましょう」というだけだと実際には難しいと思います。言葉づらではなく、その人の人生に対する理解がないと、いくら制度があっても人は動かないもの。本人にも周囲にも育児に関する理解があれば、制度の利用自体はうまくいくように思います。「自分の仕事が大変になる」というような狭い視点ではなく、もっと広い視点で人生を見つめると、制度に抵抗がなくなり、むしろ利用したくなるのではないでしょうか。
株式会社トヨタコミュニケーションシステム
-
- サービス業
- 名古屋市
- 1,129名(男性901名、女性228名 平均年齢35歳)※平成24年11月現在
- クルマの設計から生産、販売に至るトータルプロセスを対象とした「フルラインITサービス会社」です。
1) CAD/CAM/CAE/PDM/CG等のエンジニアリングシステム
2) クルマの調達・生産・販売・経営管理等を支える基幹ビジネスシステム
3) クレジット・リース・割賦等のファイナンスシステム
の構築において、トヨタグループの中心的役割を担っています。 - http://www.toyota-cs.com/