社会福祉法人ゆたか福祉会
- 東海地方の社会福祉法人で初めて
「子育てサポート企業」として認定 -
当福祉会は、共働きで働く職員や、女性職員も多いため、出産や育児などに関して理解し、お互いのライフステージを尊重して助け合ってきました。今後より一層、人材の確保・定着を図るためには、ワーク・ライフ・バランス(以下WLBとする)支援の取組を推進し、このような働きやすい職場風土をさらに伸ばす事が欠かせないと考え、平成19年から取り組んできました。
まずは社内アンケートの集計結果を元に、育児短時間勤務制度の対象を子が小学校就学の始期まで延長しました。また、育児休業制度を利用した男性職員・女性職員の体験談を社内報などに載せることにより、育児休業や子の看護休暇などを取得しやすい雰囲気を作ることにも努めてきました。その結果、女性職員の育児休業取得率100%を引き続き維持し、育児後にはまた職場に復帰するという風土をより確固たるものにすることができました。出産後も働き続けられるという風土が、ベテラン職員の定着につながり、当福祉会が運営する事業所の利用者への支援にも、良い影響を与えていると思います。
また、平成21年には「子育てサポート企業」として厚生労働大臣より認められ、東海地方の社会福祉法人としては初めて、次世代認定マークをいただくことができました。
育児・介護に関する先進的な取組
- ●育児休業制度
- 雇用保険による育児休業給付金と合わせて給与の約8割を保障
連続7日以内の育児休業であれば賞与の減算廃止 - ●子の看護休暇制度
- 子が小学校卒業まで、正規職員、有期契約職員を問わず年間10日間(時間単位での取得も可能(一部有給))取得可能。看護、予防接種時だけでなく子の学校行事への参加にも利用可能。
- ●育児短時間勤務制度(子が小学校就学の始期まで)
- ●所定外労働の免除制度(子が小学校就学の始期まで)
- ●失効年次有給休暇積立の範囲内での介護休業の有給保障
- ●要介護状態にある家族を介護する場合は、所定外労働の免除制度あり
- ●出産・育児・介護退職者再雇用制度
- ●希望により育休・介休からの職場復帰プログラムを実施
- ●結婚・出産・子の入学に際して祝金支給
法を上回る独自の制度など実践的な内容で
育児休業を取得しやすい環境を構築無給では、やはり育児休業は利用しづらいものです。そこで雇用保険による育児休業給付金と合わせ、給与の約8割を保障するという制度にしました。特に男性職員の育児休業取得促進を図るため、連続7日以内の育児休業であれば、賞与の減算も行わないように改善しました。さらに、子の看護休暇は小学校卒業まで取得可能とし、子どもの人数に関係なく付与日数を年間10日間、時間単位での取得も可能、また一部を有給に拡充し、看護や予防接種を受ける時だけでなく学校行事への参加にも使えるものとしました。
法律を上回る独自の内容を盛り込んだ制度によって、女性の育児休業取得率100%を引き続き維持し、男性に関しても延べ5名が育児休業を取得しています。常に平均して3名から5名ほどが育児休業を利用して子育てをしており、定着してきていると感じています。
介護を行う職員も含めて、全職員が自らの望むバランスで自律的に働き続けられる環境づくりを通して男女職員や高齢者の活用を図ることが、WLB支援のもうひとつのポイントだと思います。
WLBにつながる様々な取組
- ●退職者再雇用制度
- ●自己啓発活動支援
- 資格取得時のお祝い金
- ●地域活動
- 小学生の施設見学受け入れ、サマーボランティア
- ●若年者(既卒者)に対するトライアル雇用を実施
- ●インターンシップの受け入れ(福祉大学生の施設実習受け入れ)
- ●全ての職員に対して毎年メンタルヘルスチェックを実施
- 部署ごとの状況を分析し、部署ごとに改善案を検討
challenge for the future
さらにWLB支援を推進するため制度の充実を検討
- 年次有給休暇に関しては、部署によって取得状況に差があります。そのため、部署に関係なく、取得しやすい雰囲気づくりをさらに推進していきたいと考えています。また、介護に関する制度設定についても課題が残っています。介護は終わりが見えないため期間をどのぐらいまで延ばせば良いのか、回数はどのようにすれば良いのか、などが検討課題です。子ども参観日なども設定できればと考えていますし、勤務地限定正規職員制度や短時間正規職員制度に関しても今後の検討課題です。今後ともWLB支援について相互理解をより深めていきたいと思っています。
これからWLBに取り組む企業様へのアドバイス
まずはWLB支援についての経営層の理解を
まず経営層の理解をいかに得るかということが、なによりも大切です。ゆたか福祉会では、労働力人口の減少が見込まれる日本で、今後も職員を確保していくためにはWLB支援の取組を推進し、働きやすい職場風土をさらに伸ばす事が、欠かせないと考え、経営方針上にWLB支援を位置づけました。
どのように自社の経営方針とWLB支援を結びつけるかについては、経営層をも納得させる説明が必要になりますが、その答えは各社の置かれた状況により、各社各様となるでしょう。遠回りの様ですがそれをまず確固としたものとすることをお勧めいたします。
経営層の理解を得た上で、経営トップの名でWLB支援の方針を打ち出し、その具体化を組織的に図っていくことが大切です。またWLB支援制度が確立され、運用が始まるのと平行して、管理職の研修も定期的に行い、実際に労務管理を行う管理職の理解をさらに深めていく努力も必要だと考えます。
社会福祉法人ゆたか福祉会
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- 医療、福祉
- 名古屋市
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483名(男性189名、女性294名)
※平成25年1月現在 - 「どんな重い障害があっても人間として大切にされ、成長・発達する権利がある」という考えのもと、1969年に誕生した、全国初の共同作業所。障害のある方の日中活動施設・生活施設・ケアホーム・相談支援事業所・給食配食事業所・高齢の方のデイサービス・グループホーム等合わせて25事業を、名古屋市、北名古屋市、北設楽郡設楽町で展開しています。
- http://www.yutakahonbu.com/