株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
- ライフイベントに合わせた
柔軟な働き方を社員が提案し、
復職してからも続けたくなる
快適な環境づくりへ前進中 -
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)は、再生医療製品の製造販売承認を日本で初めて取得し、事業展開するバイオベンチャー企業です。若い従業員が多い職場ならではの自由な風土もあり、風通しのよい職場です。2007年から「どうしたらもっと働きやすく、続けやすくなるか」をテーマに、育児等経験者の話を聞くことから始め、各種制度の理解促進や育児支援制度等の拡充を進めました。さらに、業務の繁閑に合わせて運用する変形労働時間制や時差出勤制度の整備、在宅勤務制度の試験運用など、従業員が無理なく働ける環境を整えてきました。
育児・介護に関する先進的な取組
- ●入社6か月以上勤務した従業員が取得できるように対象を拡大した育児休業
- (育児・介護休業法(以下「法」):勤務年数1年以上の従業員が対象)
- ●小学校就学前まで利用できる育児短時間勤務制度
- (法:子が3歳まで利用可能
- ●時間単位で取得できる年5日分のファミリーフレンドリー休暇
- (妊娠期~子が高校生まで)
- ●元親会社の設置した事業所内保育所は1歳~3歳までの子を持つ従業員が利用可能
- ●人事担当者が休業者に2か月に1回電話し、保育所の入所予定や復職に向けた心境の変化をフォロー
- ●「当社の育児支援制度一覧(男女別)」「介護支援制度一覧」を作成し、配布
- ●介護支援制度一覧を整備し、安心して仕事と介護を両立できるよう働きかけを実施
- ●時間年休が増加した従業員に声掛けをするなど、家族の介護が必要な従業員の潜在的なニーズの掘り起こしにも努める
利用しやすい制度の拡充と環境づくりを徹底
2007年に女性従業員から産前産後休業を取得したいと相談があったのを機に、パートタイマーを含む育児経験者らに集まってもらい、実際にどんな支援や制度が必要なのかを考える育児・介護支援委員会を発足させました。半年間、様々な意見交換がなされましたが、「制度よりもまず、家族や職場の理解が必要」という意見が多く聞かれるなど、リアルな実態を知るよい機会となりました。これらの意見を受け、総務課では、管理職セミナーの実施や、従業員に対して男女別の育児支援制度一覧を作成して周知するなどして、理解促進に努めました。同時に、従業員が元親会社の設置した事業所内保育所を利用できるようにしたほか、育児短時間勤務を小学校就学前まで利用できるようにするなど、従業員のニーズに応えられるよう、法律の規定を超えた育児制度を充実させています。
現在は育児休業を取得しているのは女性だけですが、今後は、男性に向けても積極的に呼びかけることで、さらに育児休業等制度を利用しやすい環境づくりに努めていきます。
WLBにつながる様々な取組
- ●労使協議を月1回開催。提案のあった要望から、時間単位で取得できる年休の上限日数の拡大などを実現
- ●毎月定例のミーティングで、全役職者が各従業員の勤務形態や制度の利用状況を把握
- ●社内イントラで、就業規則等の資料を全従業員がいつでも閲覧可能
- ●繁忙期に残業時間を増やさないよう、変形労働時間制・時差出勤制度を導入
- ●パートタイム労働者の正社員登用制度を整備
いつまでも働き続けられる快適な職場環境を模索
ジョブローテーションによる複数部署の経験や従業員同士の自主的な勉強会で知識・技術の習得に努め、繁忙期の応援体制を確保するとともに、業務量が過大になった時に、残業時間を増やさず無理なく働けるよう、変形労働時間制や時差出勤制度を導入しました。
また、育児休業中でもブランクを空けず仕事勘を保ち続けたいという要望に応え、報告書や学会発表用の論文作成など、在宅勤務を試験的に運用開始しました。現在1~4名が利用していますが、今後は、ネット会議をできるようにするなど、業務内容や対象者の拡大を検討していきます。
さらに、パートタイム労働者の正社員登用制度を整備するとともに、雇用契約書に記載して周知に努めることで、3年間で6名が正社員になるなど、積極的な正社員登用を行っています。
これからWLBに取り組む企業様へのアドバイス
WLBに取り組むうえで大切なのは、「当事者の話をよく聞くこと」だと思います。取り巻く状況も悩みのレベルも人それぞれ。その中で、当事者が悩みを抱え込まずに、上司や人事の担当者、同僚などに相談できる風通しのよい職場環境を作ることがまず必要です。
また、「よく知る」ことが不安解消の一助となるため、育児支援制度や育児休業給付金などについての勉強会や育児休業経験者と話をする機会を設けるなど、子育てしながら安心して働くことができる環境づくりに取り組んでいます。そして、そういった活動をしているよ、と常にアナウンスすることが、徐々に意識を変えることにつながると思います。
さらに、ルールを作るうえで企業が心がけることは「不公平感をなくす」、つまり「例外はつくらない、職場のみんなが納得する」ということを意識して、制度作りを行うべきだと思います。よい職場作りを目指してがんばりましょう。
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
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- 製造業
- 蒲郡市
- 203名(男性82名、女性121名)
- 再生医療製品等の開発・製造・販売
- http://www.jpte.co.jp/