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ワーク・ライフ・バランスの取組方法

1.取組にあたって必要な姿勢

内閣府が2008 年に実施した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」では、「『ワーク・ライフ・バランスが実現された社会』に近づくため、企業の取組のうちもっとも重要なもの」として、「社長や取締役がリーダーシップを発揮してワーク・ライフ・バランスに取り組む」、「無駄な業務・作業をなくす」、「管理職の意識改革を行う」ことがあがっています。
このように、ワーク・ライフ・バランスの取組を導入し、推進していくためには、経営トップの理解とリーダーシップの発揮が鍵となります。また、ワーク・ライフ・バランスへの取組は企業規模・業種、これまでの経緯によって異なります。個々の企業が自社の実情と課題を把握し、それぞれに適した効果的な進め方を労使で話し合い、実現可能な取組を導入することが重要です。

「ワーク・ライフ・バランスが実現された社会」に近づくため、企業の取組のうち最も重要なもの(N=2,500)
社会全体のメリット
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」(内閣府 2008 年)

2.取組のステップ

社会全体のメリット

3.取組の推進方法

「男女共同参画会議・仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会 平成20 年4 月とりまとめ」によると、企業における仕事と生活の調和の推進については、管理職や従業員の負担や不公平感の増大や、働き方の柔軟化に伴う業務管理、人事評価の困難化等を理由に躊躇する声も多くあがっています。
企業が仕事と生活の調和への取組を円滑に進めるには、以下のような方法で、こうした懸念事項を払拭していくことが必要です。

仕事と生活の調和の推進方法

「男女共同参画会議・仕事と生活の調和
(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会 平成20年4月とりまとめ」より

  1. 仕事と生活の調和に関する支援ができる職場作り
    トップの意識改革・リーダーシップ、経営戦略への位置付け
    中小企業ではトップのリーダーシップで加速的な取組が可能であり、大企業では経営戦略としてダイバーシティの推進等と併せた取組が効果的です。
    推進機関やキーマン(CWO)による取組推進
    旗振り役となる推進機関を構築したり、CWO(Chief Work Life Balance Offi cer)を推進のキーマンと定めるなど、全社挙げての強力な推進を内外に明らかにすることが効果的です。
  2. 従業員が抱える時間的制約等を理解した業務運営の実現
    効率的な働き方の促進
    時間を有限な経営資源と捉え、限られた時間管理の範囲内で実現可能な仕事の付加価値の最大化を目指し、企業の現場の管理職や個々の従業員が業務マネジメントに取り組むことが必要です。
    管理職の意識改革・マネジメント能力の向上
    管理職の理解を促進し、様々な事情を抱えた部下の業務調整や進行管理等のマネジメントを推進することが必要です。
    周囲の従業員の理解促進、能力の向上
    業務代替や分担見直しにより、“ お互い様”という意識を醸成し、チームで業務運営の工夫を行っていくことが必要です。
    適正な人員・時間管理、公平感のある人事評価の実施
    長時間労働を前提とせず業務を互いに代替できる適正な人員・時間管理、周囲の従業員も含めた公平感のある人事評価を実施することが必要です。
  3. 企業の枠を超えた取組の促進
    顧客や取引先相手等の理解の促進
    計画的な発注、納期の促進を図り、関係者の理解を促すことが必要です。
    企業間ネットワークの構築
    情報交換等のネットワークを構築し、互いに取組を促進しあうことが効果的です。