社会福祉法人 愛知県厚生事業団
- 全職員約1,400人への「職員意識調査」を実施
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我々の業界は夜勤など不規則勤務で働く看護師、介護員が多い職場です。看護、介護と聞くと高い離職率を想像されるかもしれませんが、介護労働安定センターの調査による介護職員の平均離職率15.7%に対し、当事業団は2.8%と低い離職率を維持しています。これは長い歴史、将来性なども影響していると思いますが、WLBに関する制度の充実も大きな要因であると考えています。
平成23年度に一新した経営計画において、「WLB向上」は重要課題です。そこで平成24年度に、パート従業員を含めた全職員約1,400人に「職員意識調査」を実施し、そこで社員が抱える悩み、不満、満足している点などを把握して、問題点の指導・改善に取り組んでいます。
今後もより手厚い制度を導入することで、不規則勤務の社員であっても長く働ける職場を目指しています。
育児・介護に関する先進的な取組
- ●産前休暇制度
- 法定より2週間長く、8週間前から取得可能。その2週間分の給与は全額支給
- ●子が2歳まで取得可能な育児休業制度
- ●産休・育休マニュアルを作成、配布
- ●6ヶ月利用可能な介護休業制度
法定を上回る8週間
取得できる産前休暇制度産前休暇制度は、法定期間よりも2週間長い、8週間前から取得できます。その2週間分の給与は全額支給されます。年間約40人が利用しており、産前休暇取得者の100%がそのまま育児休業を取得しています。
WLBにつながる様々な取組
- ●ノー残業デー
- 毎週水曜日、給料日、ボーナス日は定時退社とし、法人本部では100%の職員が実践
- ●夏期休暇
- 6月中旬から9月下旬の期間に6日間取得可能
- ●結婚休暇
- 5日間取得可能。年次有給休暇と合わせ新婚旅行などに利用可能
- ●年次有給休暇の取得予定を含めた勤務表
- 年次有給休暇は、年4日を計画的に取得できるよう、取得計画を含めた勤務表を
作成
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- ●時間単位の年次有給休暇取得
- 年次有給休暇を1時間、2時間など時間単位で取得可能
- ●事務の合理化検討会
- 業務の効率化を図るための検討会を年1~2回実施
- ●メンタルヘルス研修会
- 本部や各施設でメンタルヘルスについて学ぶ研修を実施
- ●通信教育費の一部補助
- 准看護師が看護師になるための通信教育費の一部を補助。 平成25年3月から実施
- ●再雇用希望者は筆記試験を免除
- 出産、介護等による退職で再雇用を希望する人は筆記試験を免除
人事異動方針制度を設け
人事異動を行う4月1日の前年11月頃に面談により希望を聞き、配置を考える「人事異動方針制度」があります。また、従来、職員には総合職しかなかったのですが、平成24年4月から、転勤のある総合職と、転勤のない一般職に分けました。さらに一般職では、勤務時間をフルタイムと32時間から選べるようにするなど、転勤・労働時間について社員の希望に沿い、長く働ける職場作りを心掛けています。
転勤・労働時間などの希望に沿う
challenge for the future
准看護師の通信教育費の一部補助のほか、ケアマネージャーの免許更新を行う職員をサポートする制度を平成25年4月から実施します。ケアマネージャーの免許更新の際はその都度、研修を受ける必要がありますが、研修受講日は給与が付与され職務を免除するというものです。新制度を取り入れるとともに、現行制度の一層の利用促進と充実を図り、長く働きやすい職場を目指していきます。
これからWLBに取り組む企業様へのアドバイス
WLBに取り組んできたことで、職員の意欲向上、離職率低下を実感しています。制度を充実させ、WLBの取組について求人案内等でしっかりと説明することで、就職を希望する方の増加にもつながっています。
制度の改定をする際には、職員へのアンケートを行い、その内容を反映することで、本当に必要とされている制度に整備されていくと思います。
社員の声
育児休業、育児短時間勤務制度を利用しました。
休業中、普段あまり交流がない近所の親子と知り合うことができ、充実した子育てが出来ました。子供は1歳頃から色々な病気にかかることが多いので、その点でも育児休業が2歳までという制度はとても助かりました。
また、共働きなので保育園の送迎や夕食の準備など時間的な余裕が持てて良かったです。
仕事の面では、原職復帰が就業規則に明記されており、顔なじみの職場に復帰できることで大きな安心感を持てました。
多くの職員が育児休業を取得しているので、気兼ねなく申し出することができました。
復帰の際は労働時間が短いことで、効率的な仕事の進め方を考える良いきっかけとなりました。
施設勤務 Y.Eさん
社会福祉法人 愛知県厚生事業団
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- 介護・福祉事業
- 名古屋市
- 1051名(男性271名、女性780名)
- 昭和39年に設立し本年で設立50周年という節目を迎え、長い間、愛知県の地域福祉の一翼を担ってきました。今では県内最大の社会福祉法人として、特別養護老人ホーム、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、デイサービス、養護老人ホーム、救護施設、障害者支援施設、相談支援事業所、障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設、保育所等を経営しており、県内各地域の福祉の推進に取り組んでいます。
- http://www.ai-kou.or.jp