豊田信用金庫
- 育児休業から復職までを手厚くサポート
今では育児休業からの復職率が100%に
当庫が、WLBについて考えることは、女性の活躍する場も増え、仕事に慣れている女性が働き続けることは企業にとってもメリットがあるということです。
以前は、一度退職してパートで復帰する女性職員が多かったのですが、現在は、正社員として続けられ、女性職員も役職に就くなどステップアップができますし、当庫としても採用や育成にかける費用の削減、仕事の処理能力などプラスにつながります。
当庫では、法制度以外にも、産後介助休暇や、目的休暇制度、連続休暇制度などを設け、仕事と生活の調和が図られる職場環境づくりに取り組んでいます。こうした取組により、育児休業から復職する職員が100%という数字を残すことができています。
経験のある女性職員が復帰すれば、仕事も円滑にいき、職場の雰囲気も良くなります。その結果、職場に好循環をもたらすはずです。
育児・介護に関する先進的な取組
- ●子の看護休暇(7日間、年次有給休暇とは別の有給休暇)
- ●産後介助休暇(3日間、年次有給休暇とは別の有給休暇)
- ●育児休業からの復職後は、自宅から通勤しやすい場所にある支店が勤務地となるよう配慮
- ●育児休業から復帰する場合、事前に復帰に向けた研修を職員ひとり一人に実施
- ●産前産後休業中は給与100%支給
産後介助休暇など男性職員に向けた
制度で子育てへの積極的な参加を促す母親だけでなく、父親となった男性職員も積極的に育児に参加し、仕事と育児の両立を図ってもらおうと制定されたのが産後介助休暇です。年次有給休暇とは別に3日間取得することができ、妻の産前産後期間であればいつでも取得することができます。ほかに結婚記念日や誕生日といった記念日に取得できる目的休暇や5日間の連続休暇もあり、家族を大切にして子育てにも積極的に参加してもらいたいと考えています。
WLBにつながる様々な取組
- ●社内報「人事部便り」や、イントラ・ネットで職員に周知
- ●21時まで勤務した場合は、翌日に理由書の提出を義務化し、残業抑止に取り組む
- ●残業時間が月平均40時間超過者、もしくは1ヶ月40時間超の残業時間が年3回以上あった職員に注意文書を送付
- ●目的休暇制度
- 年次有休休暇を取得しやすいよう、結婚記念日や誕生日といった目的に応じて使える休暇制度を制定。
- ●連続休暇制度
- 年1回、5日間取得を義務づけている。これまでほぼ100%の取得率を達成
- ●メンタルヘルス専用のヘルプデスクを設置
- メンタル専用のヘルプデスクを平成24年4月に設立。産業医と連携し個々の悩み事に対応。各部門、各店への訪問と悩みの事の聞き取りも行い、パートを含めた全職員に対して実施。
-
- ●子ども参観日
- 金融教育の一環として実施。親の働く現場を見学し、家族の絆を強めることをねらいにしている。希望する職員と、その子が参加でき、子の夏休み中に本店営業部で実施。大金庫の中を見たり、硬貨を入れた麻袋を持って重さを体験したり、海外通貨を見て学ぶこともある。工作や夏休みの課題をするなど、親子の触れ合いにも力をいれている。平成24年度は親子で約50人が参加した。
- ●年次有休休暇を半日単位で取得可能
- ●豊田市地域消防団員に所属する職員も多く、消防活動など地域活動に参加する際の年次有給休暇の取得を促進
- ●国家資格取得促進のために資格を取得した職員に奨励金や資格取得後の手当支給などがある
challenge for the future
近年、取組に力を入れているのがメンタルヘルスです。ヘルプデスクと呼ばれる専門の担当を設けて取り組んでいます。担当は全職員に直接会ってヒアリングをしています。たくさんの声を拾えるのですが、担当は、1人だけなので、やはり負荷が大きくなります。メンタルヘルスに対する対応をいかに充実させていくかも今後の課題です。
そのほかに、1年6ヶ月まで利用できる育児休業制度について、育児休業者や復帰者から「年度末まで延長してほしい」という声や、子が3歳の誕生日まで利用できる短時間勤務も「もう少し期間を長くしてほしい」という声も出ており柔軟に対応していきたいと考えています。
ですが、育児休業により支店に欠員が出ても、お客様の個人情報を扱う我々のような業界では、簡単にパートなどの交替要員を入れづらいという問題もあります。制度を手厚くすると同時に、職員が休業する期間に現場で働く職員のことも考えた制度制定に取り組んでいきたいです。
これからWLBに取り組む企業様へのアドバイス
平成19年くらいまでは、育児休業制度を利用しても、復職せずにそのまま退職してしまう職員が当庫でも多かったので、休業期間中にも人事部の担当と電話で気軽に話し合う環境を作り、コミュニケーションを取るよう努めました。誰でも1年近く職場を離れると、復帰に対して不安になるもの。その不安感を払拭するのも大切だと思います。今では子どもを連れて会社を訪ねてくれる職員も増え、出産を機に退職する職員はほとんどいません。
休業している職員とコミュニケーションを取ることはとても大切だと実感しています。
社員の声
平成24年度4月2日から4日間、私は育児休業を取得させていただきました。
もともと育児休業をとってみたいと思っていたところに、妻から「子どものお試し保育期間に育休をとるのはどうか」と提案がありました。実は、それまでに育休を取れないかと夫婦で話しておりましたが、得意先である仕事の都合もあり、なかなか育休申請に至りませんでした。お試し保育時には既に妻が仕事復帰をしており、お昼に子どもを迎えに行けないこと、そして、育休が取れるラストチャンスだったので、育休取得を申請してみようと決意しました。金庫で前例がないことから申請が受理されるか不安でしたが、育休取得にあたり、支店長をはじめ、店のみなさんが快諾してくださり、本当に感謝しております。
4日間では、子どもの成長を感じることは到底できないですが、子どもが父親である私を一身に頼ってくる姿を毎日見ることはとても幸せでした。また、二人でやっていた育児を、連日、一人でやるのはすごく大変であることを実感しました。慣れない育児・家事に戸惑っているうちに、4日間は本当にあっという間に終わってしまいました。制度では、夫婦同時に育休取得が可能なので、もし、妻と同時期に育休を取得していたら、育児の戸惑いも少なく、もっと子どもの姿を見ることができたのではないかと思います。たった4日間の育休かと言われることもありますが、この制度のおかげで子どものお試し保育を無事終えることができました。
あれから半年が経ち、今は妻が時短制度を利用して子どもと触れ合う時間を取ることができています。育休制度や時短制度も初めは受け入れ難かったと思いますが、いま子育てに関する制度を実際に活用できる環境になっていることに感謝しております。
東郷支店 Iさん(男性)
豊田信用金庫
-
- 金融業
- 豊田市
- 928名(男性538名、女性390名)※パート含む
- 預金業務、融資業務、為替(内国・外国)業務、国債、証券、信託業務、生保・損保の窓口販売など信用金庫業務全般。
- http://www.toyoshin.co.jp